<41>噛み合わない新婚生活 埋めがたいジェネレーションギャップ
2018年の2月8日、野崎幸助さんと早貴被告は田辺市役所に婚姻届を提出した。だが、その翌朝に帰京した新妻は、3月が終わっても田辺に姿を現さなかった。「仕事の整理のため」と言っていたが、これもウソだったようだ。できるだけドン・ファンと一緒にいたくないということだったのだろう。
そして4月になって彼女は田辺市内の自動車教習所に通い始めた。費用はもちろんドン・ファン持ちである。早貴被告にはこれといってやることはなく、ヒマだけはたっぷりとあった。おかげで20日ちょっとの短期間で免許を取ってしまった。
「一度も落ちませんでしたよ」
早貴被告が自慢した。
「へえ、凄いじゃないか」
私は大袈裟に驚いてみせた。
「そうや。早貴さんは天才やから」
うれしそうにドン・ファンが目を細めた。
私は4月下旬に田辺市を訪れていた。ネットニュース「現代ビジネス」のS編集長の求めに応じて、ドン・ファンの新婚生活についての記事を作るためだ。