飯野矢住代誕生秘話<6>ジャニーズ事務所の女性所属タレント第1号に
事実、矢住代のもとにはこれまで以上に、モデルの仕事が舞い込んだ。当時の週刊誌や芸能誌を手繰ると、グラビアに登場する機会が増えていることがわかる。そして夜になると銀座に出勤して「姫」でホステスに変身する。華麗な二重生活に顧客もマスコミも魅了された。
くしくもマダムの山口洋子も、この時期より作詞活動やタレント活動を並行して行っていた。マダムとホステスがともに二足のわらじを履いたのだ。
ただでさえ盛況の「姫」には、「ミス・ユニバース見たさ」の客で連日ごった返した。
「ママ、狙い通りですね」とマネジャーが言うと、「今のところはね」と洋子は小さく返した。(つづく)