<56>イブとの別れ…神式の葬儀に続き、お寺の坊さんがお経を読む不思議な光景
「2人を呼んだのは社長のアイデアだったんですか?」
葬儀が終わって宮司さんや坊さんが帰った後で聞いた。
「いやあ~、最初は闘鶏神社に連絡したんですよ。そうしたら宮司さんの都合が分からないからと言われてね。そこで昔から知り合いの坊さんに葬儀をお願いしたいと連絡を取ったんです。ただ、その後に宮司さんの都合がついたと連絡が来て、いまさら坊さんを断るのも気が引けてしまって……」
「ああ、そうだったんですか。じゃあ、ついでに神父さんも呼べばよかったですよね。イブはクリスマスイブにペットショップで買ったんでしょ」
「そうか。その手があったな」
■火葬は中止に
私は適当なことばかり言っていた。イブは翌日、ペット専用の焼却炉で火葬される手はずになっていて、その後に自宅玄関脇に昨年作成していた納骨収納庫に入れる予定になっていた。
それなのに、「明日の火葬は中止するから」と、急にドン・ファンが言い出した。