<5>結婚した年に談志師匠から「おまえ、真打ちになっちゃえ」と…
離婚経験のある弟子の数を数えてみたら、故人と脱会者を含めると、一門22人中8人もいた。
「多いでしょ。幸い、うちは添い遂げてるんで良かったです」
結婚した年、師匠に、「おまえ、真打ちになっちゃえ」と言われた。予想もしない昇進話である。
「立川流は年功序列でなく、談志の独断で真打ちが決まります。83年に談四楼、84年に小談志(先代・故人)が昇進して、次が龍志、談之助、平成(現快楽亭ブラック)なんです。兄弟子たちを飛び越してなるのはどうかと思って、まず龍志兄さんに話したら、自分が先になると言う。談之助兄さんと平成兄さんは、当分真打ちになる意思はないと言います。それならと、<真打トライアルの会>を開くことにしました。先代円楽師匠が建てられた寄席、若竹で年に3回催し、最終回に師匠をゲストに招いて、昇進のお墨付きをもらいました」
そして87年5月、正式に立川流真打ちと認定される。入門してわずか9年のスピード昇進であった。
「この時期になったというのは、私にとってベストだったと今でも思ってます」 =つづく