<64>愛犬イブを偲ぶ会の時間になっても、早貴被告はスマホで会話を続けた
私とマコやんは事件が起こってから何十回も会って、事件のことを話し合っている。やはりこの日の動きは不可思議だったというのが共通認識である。
「今日はイブちゃんのことを偲ぶ会だから。皆さんにも可愛がってもらったイブちゃんを偲んで飲みましょう。お酒は売るほどありますから」
そりゃそうだ。この宿にも酒を卸しているのだからと、ひとりツッコミを入れた。従業員プラス早貴被告、そして私と造園会社の若社長がテーブルを挟んで腰掛けて、乾杯の声が重なった。(つづく)