<82>早貴被告は家政婦への3000万円の支払いを拒否した
「書きませんから」
しばらくして彼女はしっかりと言い放った。
「いいわよ。気にしていないから」
■懐柔する必要がなくなった?
大下さんは彼女をフォローするように笑ったが、私は早貴被告が大下さんを懐柔する必要がなくなったのだと思った。
大下さんは早貴被告が危惧していることを目撃していないか忘れている、と判断したからこそ3000万円を書かなかったのだ。そう私は思っている。=つづく