ロングコートダディは客の予想を裏切る「ワードセンス」が秀逸
昨年「2021M-1グランプリ」決勝に進出したロングコートダディ。次の日に「肉うどん」がよく売れたと言われるぐらい、インパクトを残しました。NSC在学中はコンビではなく、どういうコンビだったのか?ピンだったのか、兎君の印象はほとんど記憶がありませんが、堂前君のひょうひょうとした、とぼけた雰囲気は印象に残っています。
卒業後にコンビを組んで若手の劇場に出始めた頃、よく言えば世界観がある、悪く言えば「よくわからない」内容のコントで、お客さんも“ポカーン”という状態。それでもスケールの大きさ、こぢんまりまとまっていないところに魅力を感じました。
M-1の際の「肉うどん」のネタも「生まれ変わるとしたら何になりたいか」というネタで、当然“生き物”に生まれ変わるだろうと思っているところへ「肉うどん」という“商品”が登場する意外性。また「肉うどん」という言葉の響きが大きな笑いを誘いました。笑いの鉄則は「お客さんの予想をどう裏切るか」ですが、見事に裏切ってくれました。ワードセンスにたけていると思います。
「2020キングオブコント」でダンボールを並べ替えるネタを披露していましたが、終わってから「どっかで大きな裏切りをつくったらもっと受けんのに」と言うと、「そうですね。変化が必要ですよね」と自分たちでも、冷静に分析をしていました。