ロングコートダディは客の予想を裏切る「ワードセンス」が秀逸
昨年の「M-1」決勝の舞台で審査員のオール巨人さんが「そこまで動き回らなくてもセンター中心でやったら良かったのに」と講評されていましたが、おそらく本人たちも動くことに費やす時間でボケを1つでも2つでも時間内に入れられることを実感したと思います。以降のネタが、少しずつお客さんにもわかりだし、大きな笑いをとれるようになってきたのは、周囲の意見を取り入れながら、お客さんの前で試行錯誤した証しでしょう。
お笑い芸人は自分たちが舞台に立って、お客さんのリアルな反応を肌で感じないと、進化はできません。吉本以外の事務所の芸人さんや、吉本からよそへ移った芸人さんから「自前の劇場があるのは本当にいいですね。僕らは会場探し、設営から始めないといけませんから」という話を聞くことがよくあります。そういう意味で、東西で10カ所を超える直営の劇場に立てる吉本の若手たちは恵まれています。ロングコートダディも、休日はいくつかの劇場を掛け持ちで、1日に何度も舞台に立っています。
まだまだ発展途上の2人ですから、これからも独特の感性を生かした個性的なネタを作ってくれるでしょう。ロングコートダディ、今年も期待大です。