M-1決勝進出ランジャタイの2人が明かす壮絶貧乏物語…国崎はトイレの水飲み飢えしのぐ

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 昨年末の「M-1グランプリ2021」で初めて決勝進出したものの結果は最下位。しかし、動きが激しいネタはインパクトありだが、審査員で事務所の先輩のサンドウィッチマン富澤たけしからは「決勝だぞ! 何やってんだ!」と突っ込まれた。ツッコミの伊藤幸司さん(36)はかつて暴言を吐いて養成所をクビになったりバイトも失敗したりで、ボケの国崎和也さん(34)は公園の水でしのぎながらもバイト先のマジックミラーでイリュージョン漫才の動きをつくっていった?

伊藤(写真左) 養成所のNSCに入って相方を見た印象は田舎顔でしたね。

国崎(同右) 僕は相方はモミアゲのみの印象しかなかった。モミアゲが体の本体みたいな。今も印象は変わらない。

伊藤 僕はとがってまして入ってすぐの入学式終わりに、20人の人に「おまえはおもろいか~」と聞いて回って。みんなにドン引きされて、あっち行けみたいな感じになったけど、最後に聞いた国崎君が「面白いよ~」と答えてくれた。それで友達になった。

国崎 全員に無視されていたから、かわいそうな気もしたので。

■養成所のクビ宣告! 街のゴミ集めを命じられ…(伊藤)

伊藤 授業中に突然立ち上がって「おまえら、仲良しクラブじゃねえんだぞ」と発言したら学長室に呼ばれて「おまえはクビだ」と。僕がメチャメチャ謝ったら、街のゴミ集めを命じられました。それを相方が手伝ってくれた。

国崎 それは慈善とか優しさではなくて自然と一緒にゴミ拾いができる人柄のよさが出ちゃった。場所は養成所がある西大井駅周辺。

伊藤 大雨の中、落ち葉も集めて3袋のゴミ袋を抱えて学長室に戻り、「これで許してください」と言ったけど、「やっぱりクビだな」と言われ、雨の中、ゴミ袋を持ったまま崩れ落ちました。その姿を見て相方は笑ってました。

国崎 僕は伊藤がクビになった2~3カ月後に退所。出席日数が足りなくて、「これじゃ卒業できないよな」と。それで自然に伊藤と「何か一緒にやってみよう」と。

伊藤 フリーも長かったし、いろんな事務所を転々としました。ライブの手伝いで失敗しちゃうんです。僕は照明を任されたけど、あるピン芸人さんのネタの時に照明のボタンを押し間違えて、舞台がジュリアナ東京みたいになっちゃって。

国崎 僕はライブで、テレビ局に送るオーディション用のカメラ撮影を手伝っていたのに、ライブの途中で録画ボタンを押すのを忘れてると気づいて。ただレンズをのぞいていただけ! 慌てて録画したけどライブのエンディングトークだけ録画されていました。

伊藤 バイト先のカラオケ、アイスクリーム店、パン屋さんとかでもよくミスしてました。僕がレジを打つと会計が合わないとか。そのクセ、廃棄しなきゃいけないパンをビニール袋いっぱいに持ち帰ってました。お金には慢性的に困っていたから、余り物のパンで食いつないでました。あと好きなアイスを1日3食とも食べて満足してました。アイスに豆乳をかけるとうまいんですよ。

■生活カツカツで飲み水を買う勇気なく…(国崎)

国崎 僕はガソリンスタンド勤めを9年間。家賃を払うと生活はカツカツで、飲み物を買う勇気が出なくて、公園とか建物のトイレの水を飲んでましたよ。実家から米は送ってもらえたのでありがたかった。

伊藤 住まいが古くて汚い部屋だったのでネズミが出たけど、目が合った時、一目惚れして飼いました。ちゃんと病院に連れていって「飼っていいよ」と医者に言われてから、徐々に餌づけして。メチャクチャかわいくて、心が癒やされていたかも。名前はグランディアというゲームの主人公からとって、ジャスティン。3年間暮らしました。

国崎 「M-1」に出てイリュージョン漫才と呼ばれるのはうれしい。ガソリンスタンドでは個室で給油口を開けたりするボタンを押す仕事を1日9時間やって、マジックミラーがあったから暇な時間にいろんな動きを試していました。それが僕らの漫才ネタになった。ネタ中に僕がムーンウオークした時、上沼恵美子さんと目が合ったのですが、唖然とした表情されてました。今まで見たことのない上沼さんのお顔でした。

伊藤 審査員の立川志らくさんが僕らのことをツイートしてくれてメチャクチャうれしい。お会いしたいです。今年は「M-1」の出場権利のラストイヤーなので絶対優勝したいです。

(聞き手=松野大介)

▽国崎和也(くにざき・かずや) 1987年9月、富山県出身。▽伊藤幸司(いとう・こうじ) 1985年11月、鳥取県出身。
2007年に漫才コンビ、ランジャタイ結成。ユーチューブ「ランジャタイぽんぽこちゃんねる」配信中。

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