月亭八方師匠 自然体のまま、競争激しい芸能界を肩肘張らずに50年以上泳ぎ続けている
大御所の長寿番組“卒業”が続いていますが、八方師匠にはそういうこだわりはなく“流れのままに逆らわない”“始まりがあれば必ず終わりがある”その中でできることをする。それも決して無理はしない。いつ、どんな仕事でお会いしても、あくまで私の印象ですが、気負いがなく自然体。その姿勢のまま競争の激しい芸能界を肩肘張らずに50年以上泳ぎ続けておられる。
昨年の暮れにお話しさせていただいた時に、「若手の落語家は落語をやりたいから落語家になってんねん。それはそれでええことなんやろけど、俺ら違ごた(違った)もん。テレビに出たい、売れたい、モテたいから落語もするけど、それ以上になんか面白いことないか必死に探したもんやけど、時代が違うんかな……」としみじみ話されていたのが印象的でした。
噺のまくらで「我々の仕事は舞台袖から落語台まで歩ける体力とここ(口)さえ動いたらいいんですから……」と話しておられますが、しっかり動く口元と衰えを知らない回転の速い頭でまだまだ現役バリバリで楽しませてくださることでしょう。