著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

月亭八方師匠 自然体のまま、競争激しい芸能界を肩肘張らずに50年以上泳ぎ続けている

公開日: 更新日:

 御年、まもなく74歳になられる八方師匠は、私の初めてのテレビ用台本、初めてのレギュラー番組を担当させていただいた思い出深い師匠です。

 1984年、私がまだオール阪神巨人さんの漫才を書かせていただく前に「お笑いネットワーク」(読売テレビ)という番組で野球漫談を書かせていただいて初めてテレビ局からギャラをもらいました。内容は阪神タイガースファンの八方師匠の野球漫談。現「横浜DeNAベイスターズ」が「大洋ホエールズ」時代で「大洋はペナント(優勝)取らんとクジラ捕れ」というような阪神以外の5球団への“標語”を含めて阪神が優勝することがいかに大阪経済、ひいては日本経済を豊かにするかというような漫談でした。

 そんなことがきっかけになったのか、86年からは12年間、「ナイト in ナイト」(朝日放送)の名物コーナー「八方の楽屋ニュース」のネタ集めを担当しました。“誰かが転んだ”というような、なんでもない話を「あわや芸人生命に関わる大惨事になるところを九死に一生を得た!」と針小棒大に加工する、八方師匠の真骨頂でした。本番前の1時間程度しかない打ち合わせの間に、10のうちの“1”の素材を八方流に創作加工する。我々リサーチ隊は八方師匠に料理していただくため、楽屋に出入りする芸人さんに「なんかオモロい話ありませんでしたか?」と、取材をして毎週20~30本の“ニュース素材”を集めます。当時は携帯電話もなく、楽屋で直接会った芸人さんに話を聞くことと、自宅の電話を教えていただいて、木曜日本番の前日に電話を入れてネタ集めをするのです。これは絶対面白いという話を八方さんに伝えると「もう話ができてるな。これ以上ふくらませようがないわ(創作しようがない)」という理由で却下されることも度々ありました。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    平野紫耀から杉咲花に「翠ジンソーダ」キャラクターわずか1年でバトンタッチのナゾ…平野ファン大混乱

  2. 2

    小芝風花は大河「べらぼう」とBS時代劇「金と銀2」“NHK掛け持ちW主演”で大丈夫なの?

  3. 3

    自公維の「高校無償化」に慶応女子高の保護者が動揺? なぜだ?

  4. 4

    中村芝翫「同棲愛人と破局宣言」で三田寛子の夫婦関係はどうなる? “梨園の妻”の揺れる心中

  5. 5

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  1. 6

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  2. 7

    吉沢亮のアサヒビールだけじゃない!業界別CM「絶対NG」のタレントたち…ケンカ、運転事故、不倫はご法度

  3. 8

    開成合格でも渋幕に入学する学生が…強力なライバル校出現で揺らぐ唯一無二の存在

  4. 9

    【福井県おおい町】名田庄の自然薯そばと「大飯温泉」

  5. 10

    確率2%の抽選で10万円で永住権を手にした在米邦人が語る 7億円「トランプ・ゴールドカード」の価値