まさか素顔が怖いということでキャスティング?
今年6月公開予定の映画「怪奇タクシー」(原作・森野達弥)が元気にクランクイン。タクシーで本当にあった怖い話で、私は長い芸能生活で初めて妖怪の役に挑戦。なんと頭の後ろにも大きな口がある“二口女”で、自分の顔も特殊メーク! と思いきや、専用パテで眉毛を潰したり、少しスス汚れのような化粧もしたが、夏目大一朗監督(脚本も)の指示でほぼ素顔に近いナチュラルメークで決定……ということはまさか素顔が怖いということでキャスティングされたのか? 複雑な気持ちでスタート。
八王子辺りの小山で早朝ロケ。妖怪の話だからてっきりナイトロケだと思っていたが、朝で明るくて怖くなくてよかった。それでも一応、数日前におはらいというか四谷のお岩稲荷をお参りして撮影の無事もお願いしてきた。だが、前日まで桜の開花のニュースでポカポカ陽気だったのにロケ日は、気温がぐっと下がりあいにくの冷たい雨。衣装合わせで決まった私のお衣装はペラペラのワンピースでとても寒かった。それでも映画はカチンコがあって、監督の「よーい、スタート!」で心地よい緊張感。頑張ろう。
そのうちやむだろうと思った雨は山下達郎の歌じゃないけど次第に強くなり、なんと3月なのに雪へと変わるだろ、ん~んん~♪ 細い山道はあっという間にぬかるみ、撮影現場に慣れていないうちのマネジャーはすってんころりん、派手に転んで全身泥だらけ。帰りにワークマンで上下買って着替えるほどだった。