歌手・由紀さおりさん 家族で食べたロールキャベツ「よその家とは違って、ルーが決め手」
由紀さおりさん(歌手/)
コロナ禍の中、歌手デビュー50周年を迎えた由紀さおりさんは三味線の一人芝居や新曲発表など精力的に活動を続けている。思い出のご飯はキャベツの季節になると食卓を賑わせた特製のロールキャベツだ。
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生まれたのは群馬県の桐生市です。横浜に出てくるまでの幼少期の思い出は味噌おにぎり。三角に握ったご飯にお味噌汁に使う味噌を塗っただけの素朴なものです。母も働いていたので、近所のおばあちゃんに預かってもらうことも多かったのね。すごい泣き虫だった私はおばあちゃんが作った味噌おにぎりを見るとピタッと泣きやんだらしいの。そんな話を母によく聞かされました。
横浜に引っ越した時の思い出もあります。まだ貧しい時代で、餞別にあげるものがないからというので、近所の方が新聞紙にコイを包んで持たせてくれたの。私がガタゴト揺れる電車の中でピクリとも動かないコイを抱えていたのね。新しい家に着いて、父親がそのコイをお風呂場にためた水に放ったら、ものすごい勢いで生き返って、暴れまくった! その生命力のすごさには驚きました。あの記憶があるからコイこくとかコイ料理はダメですね(笑)。