【追悼】三遊亭円楽さん 見果てぬ夢となった落語界天下統一と大名跡・円生襲名

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「円楽師匠が継ぐなら」と、落語協会の三遊亭一門の何人は、そのような賛意を示していた。「あれだけ売れていれば誰も反対しない」とも。

 七代目の誕生となれば、都内の寄席での披露興行はもちろん、1年ぐらいかけて全国各地で披露興行を行うことになり、かなりの体力勝負になる。復帰高座の後の囲み会見の際に、「円生襲名について今、どんなお考えですか」と質問を投げかけてみた。

「ぼろぼろになって、一度継いでいいよって、みんなが言ってくれたら、世の中に一回出したいの、円生の名前を。知らない、忘れられちゃうの。あの人は今、と同じだよ。円生聞いたことがない人が今、高座に出るんだから。やっぱり芸名ってさ、その一門からだから。円生っていう人は、いわばもう、俺にすれば人間国宝だよ。芸はある、色気はある。滑稽噺、人情噺、怪談噺、すべてに出来がいい。こんな芸人二度と出て来ないでしょう。小三治? 違う違う、小さんさん? 違う違う。円生は全然違うんだよ、みんな知らねえから、円生の高座みたら、円生どうですか、ってやらしてくれるんならやりたいけど、お前知らない、って言われたらしょうがない。そしたら、世の中に出して、この人はという人が出てくるまでつないどけばいいんだから。いつも言っているけど、俺はつなぎでもいい。どさくさでもいい。三遊(亭)一門で後を継ぐ名前は円生しかない。その名前が野ざらしになっちゃってる。もったいないよね。すごいいい名前だしね。三遊の本流、本流は円生一門! そうでしょう」

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