「おぼろ迷宮」月村了衛著
「おぼろ迷宮」月村了衛著
主人公は、大学2年の三輪夏芽。築50年を超えた「朧荘」で1人暮らしをしながら、アルバイトをしつつなんとか大学に通っている。
そんなある日、バイトに出掛けると見知らぬ男が店主を名乗り、店から追い出された。混乱したままその日は帰宅したが、翌日もう一度バイト先に出掛けたところ、何事もなかったかのようにいつもの店主に出迎えられた。
あまりに不可解な出来事に怖くなった夏芽は、アパートに帰るなり電話で友人に事の顛末を話して聞かせたのだが、壁が薄いアパートということもあり、隣の独居老人にまで話を聞かれてしまう。彼が鳴滝という名前の70過ぎの男性だということしか夏芽は知らなかったが、なぜか鳴滝がその不可解な出来事を解決しようと申し出て、その謎を簡単に解いてしまった。いったい彼は何者なのか。夏芽は彼の素性に興味を持ち始める--。
おんぼろアパートに住む女子大生と独居老人という凸凹コンビが、地域の事件を解決に導く異色の物語。なんの接点もなかったはずの2人から始まったハートウオーミングな展開にほっこりさせられる。
(KADOKAWA 2200円)