二つ目昇進の改名後、女性ファンから「ミミちゃん」の愛称で呼ばれるように
3年の前座修業の後、1996年に二つ目昇進。小多けという前座名を改名することになった。
「前座の頃から(柳亭)市馬兄さんにお世話になっていて、あこがれもあったので、兄さんが二つ目時代に名乗っていた『さん好』になりたいと、師匠に相談しました。するとあまりいい顔をしない。『さん好という、いかにも若手落語家でございという名前になったら、埋もれてしまうんじゃないか』と思ったそうです。確かに当時の僕は、なんの特徴もない目立たない存在でした。師匠がそう思ったのも当然です。
ある日、師匠がいきなり、『おまえ、三三になれ』と言う。『平仮名のさんに漢字の三ですか?』と尋ねたら、『漢字の三を続けて三三だ』と。語感もいいので即決まったのですが、問題は文字です。サインをするのに、横棒6本なんで形にならない。達筆だった喜多八兄さんに、『どう書いたらいいでしょう』と相談したら、『気の毒としか言いようがない』と見放されちゃった(笑)」
それでも工夫をしたと見え、サインを見ると、三と三の位置をずらして見栄えがいい。