白鳥との「両極端の会」は今年も5月に開かれ、三三は自作の新作をネタ下ろしした。
「白鳥兄さんから、『今のご時世を吹き飛ばす噺を』という宿題を出されたので、コロナ禍をテーマにした新作をこしらえて演じました」
三三の自作は以前にも聴いたが、どれもよく出来ていた。創作力が身に付いてきたのだ。今年の新作も良かった。
「いいえ、白鳥兄さんがやった『それ行け!落語決死隊』には負けました。非合法になった落語会に、女性ファンが警察の取り締まりをかいくぐって見に行く噺です。僕は兄さんほどうまく作れません。新作は難しいです」
それは当たり前だ。三三は古典派の逸材なのだから。=つづく
(聞き手・吉川潮)