村川透監督が崔洋一氏の死を悼む 最初の仕事で「君たち、本当に助監督か」
崔さん! あなたは多難な世情の中、我々日本映画監督協会の理事長という重責を担い、体を張ってことに当たり、見事果たし、前理事長として逝った、私のショックは深く大きかった。あなたは一回り以上の年下でもあるが、私にとってはこれまで長い間秘めた心の戦友であったという思いが深く、目覚めることのない眠りに就いてしまった崔さんよ! 安らかに。
最初に仕事をともにした松田優作主演「最も危険な遊戯」、ドヤドヤと監督室に入ってきた数人の男たち、ひときわ大きな男チーフと名乗り紹介し、次々と助監督を紹介した猛者連中を見た小生、思わず「君たち、本当に助監督か」。
これは面白い映画になると直感、同時に、この先は褌を締め直さねばと心に決めた。
志とは方向は違えど目の前の行動と結果は目を見張るものがあり、崔君とは偶然ではない必然こそ運命であったと信じています。
崔さん! 同志を見守り導いてください。 合掌
(村川透/日本映画監督協会員、映画監督)
※松田優作主演の「遊戯シリーズ」は1978~79年に3作製作された。監督は村川透、崔監督は第1作「最も危険な遊戯」と第2作「殺人遊戯」で助監督を務めた。