山本コウタローさん コミックソング史に残る競馬の実況中継
シンガー・ソングライターやタレントの他に政治的な活動、環境学者の肩書を持つ山本コウタローさんは7月4日、脳内出血のため73歳で死去した。
大学時代からのグループ「ソルティー・シュガー」でデビュー。70年の「走れコウタロー」は大ヒットを記録。曲の中で競馬の早口実況中継や美濃部都知事のものまねなどしゃべる箇所が大ウケし、コミックソング史に残る名曲になった。後に元騎手の増沢末夫が歌った「さらばハイセイコー」など競馬ファンになじみ深い曲の誕生にも影響を与えた。
山本さんはウィークエンドでも「岬めぐり」(74年)でヒットを飛ばす。
ラジオやバラエティーで活躍する傍ら、広島市で8月6日前後にチャリティーコンサート「広島ピースコンサート」を開催した。
構成作家のチャッピー加藤氏が語った。
「被爆者向け養護ホームを訪れたとき、狭い部屋にベッドが詰めこまれ、入所待ちの被爆者も多いと聞いたコウタローさんが何かできないかと立ち上がり、ミュージシャンに呼び掛けた」(本紙22年7月23日)
ミュージシャンがノーギャラで参加。収益を寄付し、新しい原爆養護ホームが建設された。その功績は大きい。
(松野大介)