祇園はM-1敗者復活戦目前でコロナ感染「ネタの選択を迷いに迷った結果、あきらめがつきました」
そんな熱烈な再結成劇もありながら、08年のデビューから際立った活躍がなくキャラづけで悩んでいた時のこと。かまいたちの濱家君や銀シャリの橋本君らとの「歌って踊れるユニットをつくろう」というイベントで木﨑君だけが全力でアイドル然として歌い踊る姿がウケて「このカッコつけの木﨑を前面に押し出してみよう」と“ナルシシスト漫才”に活路を見いだし、15年ごろからは銀色のジャケット、翌年には金色のジャケットを着て、18年には上方漫才大賞の新人賞を獲得。関西では知名度が飛躍的に大きくなりました。
それでも目指す「M-1」の壁は厚く、高く、準決勝に進むことはできず、一度は入れ込んだ“ナルシシスト漫才”を捨て、20年は別のパターンで準決勝に進出。決勝には進めませんでしたが、満を持して敗者復活戦に臨もうと意気込んでいた矢先、今度は木﨑君が冒頭でお伝えしたようにコロナに感染したことがわかり、無念の出場辞退となってしまいました。
実はコロナ発症の数日前にラジオ番組の収録で一緒になり、この時、木﨑君から「(敗者復活戦のネタを)どっちにしようか迷ってるんです」と相談を受けていました。内容を聞くことなく「AとB、どっちが自信あんのん?」「Aですかね……」と言うので「ほんならAにし。自信のあるやつやらな絶対後悔する。Aで行き」「そうします!」と言っていた直後の不戦敗で、コロナ以上に精神的な落ち込みを心配しました。ところが「ネタの選択を迷いに迷った結果、体調を崩したのでしょうがないとあきらめがつきました」とのことで私もひと安心でした。
祇園にとって、今年はM-1ラストイヤー。「これまでの悔しさをすべてぶつけてきます!」と、今からネタ作りに余念がありません。結果は審査員が決めることですが、縁あって再結成された「再婚カップル」のような祇園の最後の挑戦に注目したいと思います。