ジャニーズ会見で質問者「NGリスト」のスクープがNHKから発信された意味は途轍もなく大きい
9月の記者会見で創業者の喜多川ジャニー擴氏の性加害を認めたジャニーズ事務所が、今週月曜(10月2日)、ふたたび記者会見を開いた。14時スタートにあわせて放送された各局中継の視聴率はNHK+民放4局総計でなんと19.3%にも上ったという。ぼくもリアルタイムで観た。
まず脱力したのが、藤島ジュリー景子前社長、白波瀬傑前副社長の不在。前提を欠くとはまさにこのこと。冒頭ではそれについて説明はなく、前社長の手紙を井ノ原快彦副社長がしっとり代読するスタイル。長年テレビで愛されてきた好感度抜群のイノッチに手紙読ませるとは「エンタメウォッシュ」以外の何物でもない。ずるいよそりゃ。
あ、また「加害者の親族として」なんて言ってる。近田春夫・田中康夫両氏との『サンデー毎日』鼎談で、ぼくは9月の記者会見でジュリー氏が「お気の毒な親族」ポジションをとって情緒に訴えかける発言をした罪深さを指摘した。
これほど同族経営の弊害が指摘されてもなお「姪の私」が主語の「家の話」にしようとする。むろん彼女の本心でもあるのだろうが、ゆえに問題の根は深いのだ。グループ会社あわせて年間売上1千億円超とされる企業のトップ、100%株主として「事業承継者の私」の立場でこの問題に臨むべきです。今からでもあの鼎談読んでくださいよ、ジュリーさん。