ジャニーズ会見で質問者「NGリスト」のスクープがNHKから発信された意味は途轍もなく大きい
記者が事務所を擁護、副社長への拍手の異様さ
だがいくらルールに不服があっても会見に出たい記者たちは、渋々ながらも会場入りしたわけだ。これって、星付きレストランで開宴前に主催者が「今日お出しするコースもワインも予めこちらで決めておきましたから」と宣うようなもの。そう言われたら、オレはアラカルトじゃなきゃイヤとか、メインは半分でいいから前菜をもうひと皿追加、なんて主張する招待客は滅多にいないよね。お代はあちらさん持ちだし、今日はまあいいか、となるのがオチ。
だがもちろん取材は会食ではないし、記者は招待客でもない。もし取材陣が真性ジャーナリストの集合体であったなら、記者たちが連携して会見ボイコットもできたはずなのだ。ところがそうはならなかった。それにはほど遠かった。なんと、ファンクラブ歴30年と悪びれず告白する記者(秘匿するほうが恐ろしい気さえする)が、事務所全面擁護の立場でマイクを握る場面があり、ぼくはたまげましたよ。
さらに、今やすっかり有名なイノッチ副社長の「自分にも子供がいます/ルールを守っていく大人たちの姿をこの会見では見せていきたい/どうか、どうか落ち着いてお願いします」発言。それを受けての記者たちの拍手。地獄。
ましてや当日はジャニーズから会見運営を委任されたコンサルティング会社側が、複数の記者の名前や写真を載せたNGリストを会場に持参していたことがNHKの取材でわかった。
このスクープがNHKから発信された意味は途轍もなく大きい。だがそれを語るには字数が尽きた。最後に提言を。
次の会見は取材者側が手配したらどうか。趣旨からして豪華である必要はないのだから、負担額は極力抑えて。「当事者の会」も使った日本記者クラブや公的施設を利用すればよいかと。ん? NHKホール? あり得ーるでしょう。