著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

故・木川かえるさんが漫画家を諦めた理由「手塚治虫の描いてるのを見せてもろたら…」

公開日: 更新日:

 最初は楽屋で挨拶をするしか接点がありませんでしたが、月亭八方師匠の番組で「楽屋ニュース」というコーナーのブレーンになってからは芸人さん、裏方さんを問わず「今週おもしろいことはなかったでしょうか?」と話を伺うようになり、携帯電話のなかった時代でしたから、毎週30人の芸人さんのご自宅に電話させていただいて「ニュース」を集めていました。その中のおひとりが木川かえる師匠でした。

 いつお電話してもおだやかに「ご苦労さん、あんたも大変やな……」と1週間に起こった話を丁寧に教えてくださいました。

 ある時、楽屋で「いつもすいません。師匠今週は?」と伺うと「お茶いきまひょか?」と劇場近くの喫茶店に連れて行っていただき「けど、毎週ニュース集めんのん大変やね。ようやるわ。他にどんな仕事してんのん?」と私のことを聞かれ、「(オール)阪神巨人さんを中心に漫才やコントを書いています」「巨人くんとこのネタ書いてんねや、そら大したもんや」とお互いの話になり「戦時中は進駐軍のキャンプでいまみたいな漫画を描いてたんやけど、ほんまの漫画家になりたかってね。当時あった新聞漫画に投稿してよう採用されてね、ひょっとしたらいけるかもしれへんぞと思たんやけど、そこで本多はんも知ってるすごい人に会うてもうたんよ」「どなたですか?」「手塚くん。後の手塚治虫大先生。彼も新聞投稿とかしてて名前だけは知ってたんやけど、実際に彼の描いている漫画を見せてもろたら、とてもやないけどかなわへん。それで断念したんよ」。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  4. 4

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  5. 5

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  1. 6

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  2. 7

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 8

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  4. 9

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  5. 10

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…