【新春異色対談】松尾潔×今井絵理子 #3「政治家になるきっかけを与えてくれた私の息子は、もう19歳。プロレスラーになったんですよ!」
新春お年玉対談の後編はSPEEDの今井絵理子が政治を志した理由、聴覚障がいのある息子のこと、そして日本のエンタメの未来について、かつての“家庭教師”音楽プロデューサー松尾潔と大いに語り合った。
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松尾「エリちゃんは政治活動はいつかはやろうと思っていたの?」
今井「まったく思っていませんでした。一人息子に聴覚障がいがあることが判明したのをきっかけに、復活したSPEEDの活動と並行して全国の障がい者施設などを訪問し、歌を届けたり講演をするなどのボランティア活動をしていたんです。その活動の中で自民党の参議院議員の山東昭子さん(前参議院議長)と出会いました。ある時、山東さんから食事に誘われたので『選挙応援の依頼かな』と思っていたら『あなたが出るのよ』と言われ、目が点になりました(笑)。ちょうどその頃、障がいのある子どもたちや保護者の方と交流を重ねるうちに、歌以外でもみんなが笑顔になれる空間をつくりたいと考えるようになり、NPO法人の設立を模索してた時期でした。障がいの有無にかかわらず全ての人が笑顔になれる社会をつくりたいと考えるようになっていたのですが、その手段に『政治』という発想はなくて。山東先生に『法律や制度を変えられるのは政治。本気で世の中を変えたいと思っているなら、政治の世界にいらっしゃい』と出馬を打診されたんです」
松尾「山東先生ご自身が、東映映画やテレビのクイズ番組で活躍された芸能界出身の方だから、そりゃあ説得力があるよね」
今井「私自身、チャレンジ精神を失いたくない、という気持ちも強くありました。いざ議員になってみると、霞が関でこの国のために尽力されている役人の方からも『SPEEDの曲を聴いて受験勉強していました』『SPEEDの曲に救われた』とお声をかけていただくこともあり、歌の力を再認識するとともに、今まで歌ってきて本当に良かったなぁと思います。一方で、日本では文化・芸術の地位はまだまだ低いなと痛感することもあります」