日枝久取締役相談役が辞めてもフジテレビの再生なし…「独裁者」がいるメディアほど業績がいい不思議

公開日: 更新日:

 私は、広岡の晩年、親しくさせてもらった。1989年、沖縄のダイビング組合からのクレームで朝日のサンゴ記事が捏造だったことが発覚し、社長が引責辞任に追い込まれた時、広岡は私にこういった。

「昔は朝日とケンカしたって勝てないから、政治家だって文句をいってくるヤツはいなかった」

 メディア界に独裁者が生まれやすいのは、即断即決することが多いためトップダウンのほうが物事を進めやすいことがあるのかもしれない。それに独裁者のいるメディアは不思議に元気があり業績がいいのである。

 日枝も女子アナのアイドル化を進め、長年フジを視聴率トップの座に君臨させてきた功績はある。だが、「権力は必ず腐敗する」の例え通り、40年近くもの間フジテレビを私物化し、有能な後継者を育ててこなかったツケがここへきて一気に噴き出てきた。辞任は当然だとしても、それだけでフジの健全化や視聴者からの信頼回復ができるとは、私には思えない。(文中一部敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ30代アナ永島優美、椿原慶子が辞めて佐々木恭子、西山喜久恵50代アナが居座る深刻

  2. 2

    志村けんさん急逝から4年で死後トラブルなし…松本人志と比較される女性関係とカネ払い

  3. 3

    ダウンタウン浜田雅功の休養でよぎる2023年の「意識障害」報道…「前日のことを全く記憶していない」

  4. 4

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  5. 5

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  2. 7

    志村けんさん急死から4年で関係者が激白…結婚を考えた40歳以上年下“最後の女性”の存在

  3. 8

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  4. 9

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  5. 10

    フジテレビ「Live News イット!」が大苦戦中…上垣皓太朗アナが切り札となるか