14歳ハーフ歌手の青山ミチ 5日間失踪事件
<1963年2月>
パワフルな歌声で一躍スターダムにのし上がった青山ミチが2月24日の夜、突然、行方をくらました。
前年10月にレコードデビューしたばかりの14歳。近親者や事務所のスタッフが必死になって捜索したが、消息はまったくつかめなかった。
それから5日後の3月1日朝、ミチの姿が横浜市内で発見された。空白の期間に何があったのか。
ミチの説明はこうだ。
「映画を見た後、タクシーに乗って降りると女の子がいた。アタイを知っているかと聞くから、知らないと答えたら、伊勢佐木町で会ったじゃないか、バカヤロウと言われて長屋みたいなところに連れていかれた。姿は見えないけど、男が監視しているようで、怖くて部屋から出られなかった」
監禁されていたというのだが、まるで要領を得ない話である。狂言だったとすぐにばれた。失踪してからたびたび、同い年の親友に電話をかけていたからだ。その親友にミチは「遊ぶヒマもないし、イヤになっちゃったから家を出た」と明かしていた。