70歳の清川虹子が映画「楢山節考」で初ヌード披露
<1983年4月>
戦前、古川緑波らと浅草軽演劇で活躍し、戦後も喜劇から映画、舞台と幅広く活動を続けた女優の清川虹子。70歳になった83年4月に公開された映画「楢山節考」で初ヌードを披露して世間を驚かせた。大胆な濡れ場を演じた相手は左とん平だった。
82年に東映が発表した製作ラインアップで、ひときわ注目を集めたのが今村昌平監督の「楢山節考」だった。
口減らしのために老人を山に捨てる貧しい農村を舞台に、人間の営みが骨太に描かれる作品だが、監督は撮影にあたり本格的な“濡れ場”を取り入れたい意向を見せていた。出演者は清川の他、緒形拳らが決定していたが、この時点では世間もマスコミも清川が濡れ場に挑戦するとは思っていなかった。
しかし、ほどなく清川初ヌードの仰天情報がマスコミを賑わすようになる。「私、いままで水着姿にバラの入れ墨で出たことはあったけど、オッパイ丸出しのシーンは今度が初めて」と清川。おもしろおかしく書きたてるマスコミに「ポルノじゃなくて芸術なのよ」とクギを刺し、「(出演を)OKした後にセックスシーンがあると聞かされてウワーッと思ったけど、今村監督ならポルノとは違って必然性があってのこと。断ろうとは思わなかった」とコメントした。