ソルティー・シュガー“走れコウタロウー”発売直前にリーダー急死
■1970年5月
早口の競馬中継ナレーションがウケて大ヒットしたコミックソング「走れコウタロー」。歌っているのは4人組フォークバンド“ソルティー・シュガー”だが、レコード発売直前の70年5月にアクシデントが起きる。
同バンドは都立日比谷高校の同級生を中心に山本コウタロー、池田謙吉、佐藤敏夫、手塚通夫、高橋隆らが結成。高卒後デザイナーを目指す佐藤が脱退したが、名前だけでも残そうと「さとうとしお」を「砂糖と塩」に読み替えた「ソルティー・シュガー」にした。
ほかの4人は大学進学後の69年12月に「ああ大学生」でレコードデビュー。しかし、売れず、メンバーはいつも千代田区の北の丸公園で練習をしていた。これにいつも遅刻したのが山本。集合場所ではほかのメンバーが山本に「走れ、走れ、コウタロー」とはやし立てながら歌うのが常でこれがきっかけとなり、「走れコウタロー」が誕生した。
当時は美濃部都知事が都主催の公営ギャンブルの廃止に取り組んでいた。曲には早口の競馬中継のほか知事の声色を真似たナレーションも入っていて、これらがレコード会社の目に留まり、発売が決定した。