ピエール瀧容疑者への“処方箋”薬物依存治療の専門家が語る
ミュージシャンのピエール瀧(51)の逮捕は彼自身の評価が一様に“いい人”だった意外性が衝撃を与えた。そんな瀧が日本で馴染みのなかったコカインに手を染めた背景と今後の治療方針について、約20年間薬物を含めた依存症治療に携わってきた大森榎本クリニックの精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏に聞いた。
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■「見た目は普通、外見ではわからない」
ピエール瀧の所属する音楽ユニット・電気グルーヴは日本でテクノというジャンルを一般的にした功績は大きく、瀧はNHK大河ドラマ「いだてん」のみならず、数多くの作品に起用されるなど親しまれる存在だった。それだけにショッキングだったわけだが、「今、薬物相談に来る方はもはや見た目ではわからない普通の人」と斉藤氏は語る。
「約20年前、薬物依存の相談に来る方はほとんど元暴力団関係者でした。でも今は外見でわかる方は少ない。普通の大学生や、睡眠時間を削ってでも成果を出さなければならないIT関係などの40、50代のサラリーマンが外来にやってきます。瀧さんも『ストレスが原因』と供述されていますが、ストレスへの対処行動のひとつとして使っていたのかもしれません」