<12>兵庫の“号泣県議”から始まったドン・ファン取材、約束の時間を突然変更して…
「朝の3時か4時に会社に来て、10時、11時には自宅に帰るんですから、もう寝ているんじゃないですか」
絶句するような内容だった。
「それでは社長さんから電話をいただけませんかね」
自分の携帯番号を伝えたが、3、4日経っても電話は来なかった。
「社長には伝えておきましたが、気分次第ですからねえ」
佐山さんが電話の向こうで苦笑している。
甲高い金属音が頭の中で飛び交っているような感じがして目が覚めた。場所は大阪のビジネスホテル。ベッドの脇に置いた携帯電話の着信音だと気が付くまで少し時間がかかったのは寝ぼけていたからだが、時計は午前3時半を示していた。画面に表示されていたのは電話番号で、個人名は登録されていなかった。こんな時間に一体誰が?
「はいはい」
「$%&#……」
早口のために聞き取れない。
「ゆっくりとお願いします」