リスクは健康な人の約3倍 糖尿病が「難聴」を引き起こす

公開日: 更新日:

 音はまず、耳の穴(外耳道)で増幅され、それをリンパ液の波動として感じとる器官(蝸牛)へ送られる。これを「有毛細胞」が電気信号に変え、「ラセン神経節」(蝸牛の真ん中にある神経細胞)に伝える。最後に聴神経を介して、脳に伝わるというわけだ。

 ちなみに糖尿病患者の検視研究では、「内耳動脈硬化」「血管条の毛細管肥厚」「ラセン神経節の萎縮」などが報告されているという。

 このことから、糖尿病の人は診断当初、正常な聴力があったとしても、年数を重ねるうちに難聴が進行していく可能性が高い。

 恐ろしいのは、こうした糖尿病性難聴が新たな病気を呼び起こすかもしれないことだ。

「注目されているのは、うつや認知症です。聴力が低下すると上手にコミュニケーションが取れなくなり、人との関わり合いを避けがちです。その結果、不安感や孤独感が強くなり、うつ病を発症してしまうことがあります。また、耳からの刺激が減ることで、脳の認知機能が衰えて認知症になってしまう可能性が高まるのです」

 聴力の低下から糖尿病を発見する場合もある。不安な人はまずは聴力検査をしてみることだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」