リスクは健康な人の約3倍 糖尿病が「難聴」を引き起こす
糖尿病の合併症といえば、「腎症」「網膜症」「神経障害」が有名だが、最近の研究で注目されているのが「難聴」だ。
食生活の乱れや運動不足などで発症する2型糖尿病の患者の多くが難聴を併発し、聴覚障害になるリスクが高いという。騒音の少ない環境で過ごす人でもこの傾向は変わらず、健康な人の約3倍との報告もある。難聴は「うつ病」や「認知症」をも引き起こす。あなたは大丈夫?
「2型糖尿病患者は難聴を合併するリスクが高い」とする論文を掲載したのは、国際的な糖尿病医学雑誌「Current Diabetes Reports」(2016年1月号)。
米ニューヨーク州立大学の研究者らが信頼できる複数の研究を分析したところ、糖尿病と難聴との関連性が認められたという。
「同様の研究はほかにもあって、ここ10年ほど、2型糖尿病患者の難聴については、世界中の糖尿病研究者の関心の的になっています。最近報告された研究のうち、最も軽いケースで調査対象となった糖尿病患者の44%、深刻なケースで69・7%が難聴を患っていました」