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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

足立区vs港区 低所得者が短命とは限らない

公開日: 更新日:

 平均余命を見ると、90歳以上で足立区と港区の逆転現象が見られます。平均余命とは、ある年齢に達した人が、平均してあと何年間生きられるかを数値化したもので、平均寿命は0歳児の平均余命のことです。

<表>は足立区と港区の5歳階級別の平均余命をまとめたものです。たとえば足立区の55~59歳の男性は、平均するとあと25.9年間生きられます。また港区と比較すると、男女とも1年前後も短いことが分かります。〈表〉には載せていませんが、それよりも若い世代でも、余命差はほぼ同じです。ところが高齢になると差が少しずつ縮まっていき、90~94歳で比較すると、男性は0.8歳、女性では0.2歳、足立区が上回っています。

 実は同じ現象が、他区でも見られます。低収入の北区や葛飾区などと、高収入の渋谷区、目黒区などの平均余命を比較すると、やはり90歳以上では、前者のほうが長くなっているのです。

 つまり「所得が低ければ寿命が短い」というような単純な話ではないということです。それに港区民は所得が多いといっても、住居費をはじめ生活費全般が高めです。足立区は相対的に生活費が安いため、所得格差ほどの生活格差はないはずです。

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