迫り来る貧困…「高血圧の薬」は定年後どうするべきか?

公開日: 更新日:

 ただし、「高血圧治療ガイドライン2014」は第1選択の高血圧の薬として「利尿薬」「カルシウム拮抗剤(CCB)」「ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬」「ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)」を推奨しているが、どれかひとつが飛びぬけて優れているわけではない。

「利尿薬は血液中のナトリウムと水を尿として体外に捨てることで血液量を減らして血圧を下げます。CCBはカルシウムイオンが血管の細胞に取り込まれるのを防ぐことで血管を拡張する、ACE阻害薬やARBは血管を強烈に収縮させるレニン―アンジオテンシン系の一連の仕組みの一部を邪魔する、などそれぞれ違った作用で血圧を下げます。しかし、この4種類の降圧薬の合併症予防効果に格別大きな差はありません」

 これは1999年以降に発表された複数のランダム化比較試験で証明されているという。

糖尿病の薬は血糖値の下げ幅の大きさが必ずしも合併症の予防効果に直結しませんが、血圧の薬は血圧の下げ幅と脳卒中予防効果はほぼ一致します。その意味では利尿剤はもっと注目されていい。尿酸や血糖を上昇させたり、電解質異常を起こす懸念があるなどといわれていますが、降圧効果は他の薬と遜色なく、安いからです。最も値段が高いARBが最も多く処方されている現状は異常なことです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  4. 4

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"

  5. 5

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  1. 6

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  2. 7

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  5. 10

    永野芽郁&田中圭の不倫スキャンダルをスルーするテレビ局の身勝手…ジャニーズの時の反省は?