「たかが、いびき」は大間違い 早期治療開始が重要な理由
「いびきは閉塞型睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインです。『いびきをかいてよく眠っている』のではなく、『よく眠れていない』サインと考えるべきでしょう」
こう言うのは「睡眠総合ケアクリニック代々木」の柳原万里子医師。
SASは、睡眠中に10秒以上呼吸が止まったり浅くなることで、睡眠を妨げ体に負担をかける病気。睡眠中に呼吸の通り道である上気道(喉)へ舌根や下顎が落ち込み、上気道が物理的に閉塞して生じる。
いびきのほかに、「起床時の喉や口の渇き、頭痛」「日中の眠気や体のだるさ」「夜間頻尿や寝汗」などの自覚を伴うこともある。肥満はSASの主要なリスク因子であるが、日本人では明らかな肥満がなくともSASになることがあるため注意が必要だ。
「SASを放置すると、日常生活、社会生活へ悪影響を及ぼし、生活習慣病のリスクが増加します」
具体的には、日中の眠気や集中力の低下による生産効率の低下。交通事故及び産業事故の増加。加えて、高血圧や糖尿病、動脈硬化にまつわる脳卒中や心筋梗塞、狭心症のリスクも高まる。