迫り来る貧困…「高血圧の薬」は定年後どうするべきか?
しかも利尿剤は尿細管でのナトリウム再吸収を抑制する。塩分を取り過ぎの日本人を“塩害”から守る役割もある。
ジェネリックであれば利尿薬と同じく安価なCCBやACE阻害薬も値段の高いARBより評価されていい存在だ。
「ただ、ARBもさらに薬価が下がれば、せきが出るACE阻害薬より使いやすいかもしれません」
高血圧患者の多くは単剤の降圧薬で目標値を達成することは少なく、複数の降圧剤を使うケースが多い。そんなときは配合剤のメリットは大きい。
実際、ARBとCCB、ARBと利尿剤、3剤の配合剤が保険薬として認められている。配合剤は単剤併用群に比べて薬の飲み忘れを防ぐ。患者が主体的に正しく飲む服薬アドヒアランスを3割も高め、血圧正常化率が1・3倍も高いともいわれている。
薬価との兼ね合いを考慮すれば、ACE阻害薬とCCB、ACE阻害薬と利尿薬の配合剤を作って、それを利用するのがより安価な薬となって良いと思われるが、そのような配合剤はどの製薬会社からも発売されていない。