「脳卒中・循環器病対策基本法」では生活習慣の改善を重視
脳血管疾患と心臓疾患の特徴は、「患者数が多くて死亡率も高い」だけではありません。治療後も機能障害が残るケースが多いため、介護が必要になる原因疾患として、脳血管疾患が16・6%、心臓疾患が4・6%を占めています。両方を合計すると全疾患で最多なのです。
■喫煙と肥満は動脈硬化を促進させる
脳卒中・循環器病対策基本法によって予算が増え、医療体制の整備が進めば、患者の救命率の向上や予後の改善が大きく前進するでしょう。ただ、それよりも大切なのは普段からの予防です。そのためのカギは生活習慣にあります。基本法の「基本的施策」でも、喫煙、食生活、運動といった生活習慣の改善の重要性が書かれています。
循環器疾患を招く血管の問題は、生まれつきの血管の異常を除けばほぼ動脈硬化によって起こります。ですから動脈硬化を予防すれば、循環器疾患を食い止めることができるのです。動脈硬化を促進させるリスク因子は高血圧、高血糖、高コレステロールが代表的なもので、それらを引き起こすのが「喫煙」や「肥満」です。