妊婦がパンやパスタを食べると子どもの自閉症リスクが上昇
橋本教授は、グリホサート入り飲料水を飲ませた妊娠マウスに、体内の炎症を強力に抑えるsEH阻害薬を妊娠期から離乳期まで投与した結果も調べた。すると、仔マウスのASD様の行動異常が抑制。これは、体内の炎症とASDは関係していることを示す。
農水省の調査では、カナダ産・アメリカ産の小麦の90%以上で、グリホサートが定量限界(対象の濃度を決定できる最小量)を超えて検出。農民連食品分析センターが昨年、小麦粉やパスタ、食パンなど小麦加工品のグリホサート残留を調べたところ、多くの小麦加工品からグリホサートが検出された。ごく一般的に手に入るものなので、小麦製品やパンを日常的に食べている人は、グリホサートを日常的に取っているとも言える。なお、日本では小麦についてグリホサートの収穫前散布は認められておらず、農民連食品分析センターの調査でも、国産小麦を使用している商品からはグリホサートが検出されなかった。
橋本教授は「今回の実験結果は動物実験であり、妊婦のグリホサートの摂取が子どもにASDを引き起こすという結論は出せません。関連を調べるには、妊婦を対象とした大規模な追跡調査が今後必要」と言うが、全く無関係とも言えない。グリホサートは、発がん性も指摘されている。