妊婦がパンやパスタを食べると子どもの自閉症リスクが上昇
■カナダ産・米国産小麦の90%以上から検出される農薬が原因
橋本教授が行ったのは、グリホサートとASDの関係についての動物実験だ。グリホサートを含む飲料水を、妊娠マウスに離乳期(生後21日)まで与え、生まれた仔マウスを調べた。
「すると、仔マウスがASD様の行動異常を示す結果が出たのです」
グリホサート入り飲料水を飲ませた妊娠マウスから生まれた仔マウスのふんを調べると、そうではない仔マウスに比べて、腸内細菌叢のバランスが乱れていた。さらに「可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)」というタンパクや遺伝子の発現が、脳の前頭皮質で有意に高かった。
「腸内細菌叢のバランスの乱れは、ASDをはじめさまざまな病気に関係していることは、複数の研究で報告されています。sEHの発現が高いということは、体内で炎症が起こっていることを意味します。疫学研究から、妊婦の体内で炎症が起こると子どものASDなどの発達障害、統合失調症などのリスクが上がることも示唆されている」