著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

7月に新たに承認されたHPV9価ワクチンの実力と泣きどころ

公開日: 更新日:

 それでも、国内の子宮頚がんの罹患(りかん)者は年間約1万人、毎年約2800人が亡くなっています。患者さんは20代から増え始め、30代までにがんの治療で子宮を失う人も毎年約1200人います。

 そこで日本では、2009年12月にHPVワクチンが承認され、定期接種(3回接種、公費負担)が始まりました。対象者は小学6年~高校1年相当の女子です。

 これまで国内で承認されているワクチンは、16型と18型の2つの型に対応した「2価ワクチン」と、さらに尖圭コンジローマの原因となる6型と11型を加えた「4価ワクチン」です。

 それが今年7月に、新たに「9価ワクチン」が承認されました。2価と4価ワクチンは子宮頚がんの原因の約65%をカバーしますが、9価ワクチンは約90%を防ぐとされています。

 ただし、HPVワクチンは接種後に運動障害や持続的な疼痛(とうつう)など「多様な症状」の発現が報告されたことにより、「積極的な推奨」はされていません。子供への接種を検討する際には、医師にメリットとデメリットの説明を十分に聞く必要があります。

 また、成人女性や男性も自費になりますが、ワクチン接種をすることでまだ感染していない型のHPV感染を予防することができます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」