進行した膀胱がんの新治療薬が承認 2年以上の生存期間に期待
これらがうまくいかなければ、速やかに次の段階の2次治療に進む。問題は、抗がん剤治療が“うまくいっている”患者だ。
「抗がん剤は、初期では奏功率が高くても、長い間続けると骨髄抑制などの副作用が見られて、継続が困難になるのが課題でした」(松山教授)
がんは、抗がん剤で小さくなっているので、2次治療に進む段階ではない。しかし、抗がん剤は中止するしかない。無理に長く続けても、副作用が全面的に出て、生存率が上昇しないことが研究で明らかになっている。だからがんがある程度大きくなるまで、主治医の判断の下、栄養補給や疼痛管理といった“様子見”のような対応を続けるしかなかった。この治療をベストサポーティブケア(BSC)という。
■臨床試験では世界初の結果
バベンチオを含む免疫チェックポイント阻害薬は、簡単に言うと、がん細胞が免疫の働きにかけたブレーキを外し、免疫の働きを活発にしてがん細胞を攻撃できるようにする薬。今回、バベンチオは「維持療法」として用いられる。