「アスピリン」の意外な効果 大腸がんの予防薬になるか?

公開日: 更新日:

 解熱鎮痛薬として長年使われているアスピリンと大腸がんに関する新たな研究発表が、世界的に権威のある医学雑誌「ランセット」の姉妹誌に先日掲載された。研究を行った京都府立医科大学大学院医学研究科教授の武藤倫弘医師に聞いた。

 武藤医師らのグループが今回行った研究は、家族性大腸腺腫症(FAP)患者へのアスピリンの効果を見るもの。世界最大規模の試験になる。

「FAPは日本に患者が7300人いる病気で、がんの抑制遺伝子APC遺伝子の異常で起こります。大腸に100個以上のポリープが若いうちからでき、高い確率で大腸がんを発症します」

 ポリープがぱらぱらとできるタイプであっても、60歳までに大腸がんを発生する確率はほぼ100%。そのためFAP患者は20歳ごろに予防治療として大腸を全摘するのだが、生活の質の低下などから、手術を希望しない患者も増えていた。

 FAP患者の大腸を温存できる方法はないのか? 考えついたのが、アスピリンの服用だ。

■大腸ポリープの発症を抑えがんに移行させない

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情