進行した膀胱がんの新治療薬が承認 2年以上の生存期間に期待

公開日: 更新日:

「例えば、もともと10センチあったがんが、抗がん剤治療が効いて1センチになったとします。ここにバベンチオを用いた維持療法で、がんの縮小効果を維持するのです」(松山教授)

 つまり、バベンチオ維持療法は2次治療の前に行われるもので、抗がん剤治療(1次化学療法)とセットで1次治療という位置付けになる。

 バベンチオの臨床試験は、日本人を含む進行尿路上皮がん患者700例で実施された。

 抗がん剤治療を4~6サイクル実施し、がんの進行が見られなかった患者を2群に分け、一方には従来の治療(BSC)に加え、バベンチオの静脈内投与を2週間に1度行った。もう一方はBSCのみ。

「結果、バベンチオ+BSC群の全生存率21・4カ月で、BSC群の14・3カ月に対し、統計学的に有意な全生存率改善が見られました。バベンチオが用いられた患者さんは、この前に抗がん剤を4~6カ月やっているので、抗がん剤が効いている期間を加えると2年以上の生存期間が期待できる。全生存率は1年半くらいと考えられていたので、非常にいい成績が得られたという印象です」(慶応義塾大学病院泌尿器科・大家基嗣教授)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース