進行した膀胱がんの新治療薬が承認 2年以上の生存期間に期待

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「例えば、もともと10センチあったがんが、抗がん剤治療が効いて1センチになったとします。ここにバベンチオを用いた維持療法で、がんの縮小効果を維持するのです」(松山教授)

 つまり、バベンチオ維持療法は2次治療の前に行われるもので、抗がん剤治療(1次化学療法)とセットで1次治療という位置付けになる。

 バベンチオの臨床試験は、日本人を含む進行尿路上皮がん患者700例で実施された。

 抗がん剤治療を4~6サイクル実施し、がんの進行が見られなかった患者を2群に分け、一方には従来の治療(BSC)に加え、バベンチオの静脈内投与を2週間に1度行った。もう一方はBSCのみ。

「結果、バベンチオ+BSC群の全生存率21・4カ月で、BSC群の14・3カ月に対し、統計学的に有意な全生存率改善が見られました。バベンチオが用いられた患者さんは、この前に抗がん剤を4~6カ月やっているので、抗がん剤が効いている期間を加えると2年以上の生存期間が期待できる。全生存率は1年半くらいと考えられていたので、非常にいい成績が得られたという印象です」(慶応義塾大学病院泌尿器科・大家基嗣教授)

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