進行した膀胱がんの新治療薬が承認 2年以上の生存期間に期待

公開日: 更新日:

 尿路上皮がんは尿の通り道の内側にできるがんの総称で、発生する場所で膀胱がん、腎盂がん、尿管がんなどに分けられる。今年2月、進行した尿路上皮がんの新たな治療薬が承認された。尿路上皮がんで圧倒的に多いのが膀胱がんで全体の90%を占めるが、今後、膀胱がんの治療はどう変わるのか? 専門医に聞いた。

「尿路上皮がんは残された難治性がんのひとつ」と言うのは、山口大学医学部付属病院泌尿器科の松山豪泰教授。膀胱がん患者が多い米国では、5年生存率が過去20年以上、変化がない。効果的な治療法や薬剤が登場しなかったからだ。

 今回、膀胱がんをはじめとする尿路上皮がんの治療薬として承認されたのは、免疫チェックポイント阻害薬のひとつ「バベンチオ(一般名アベルマブ)」だ。対象は、膀胱以外のほかの部分に転移があり手術で切除が不可能な進行がんで、かつ抗がん剤治療でがんが縮小した、または大きくならなかった患者だ。

 これまでの進行膀胱がんの治療は、まず抗がん剤治療。ゲムシタビン+シスプラチンか、腎機能障害がある患者ではゲムシタビン+カルボプラチンの2種類を組み合わせる方法が一般的だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    巨人入り若林楽人「4番気取り」なら新天地でも“塩漬け”不可避…打撃に求められる意識改革

    巨人入り若林楽人「4番気取り」なら新天地でも“塩漬け”不可避…打撃に求められる意識改革

  2. 2
    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

  3. 3
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 4
    3選狙う小池都知事は情勢調査「一歩リード」も圧勝遠のき焦り…街頭演説も聴衆スカスカ

    3選狙う小池都知事は情勢調査「一歩リード」も圧勝遠のき焦り…街頭演説も聴衆スカスカ

  5. 5
    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚

    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚会員限定記事

  1. 6
    巨人が「同ポジション」緊急トレードで企む真の狙い…松原を西武に放出、若林を獲得

    巨人が「同ポジション」緊急トレードで企む真の狙い…松原を西武に放出、若林を獲得

  2. 7
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  3. 8
    小池知事は都知事選TV討論すべて拒絶…蓮舫氏が街頭演説で暴露し「逃げないで」と訴え

    小池知事は都知事選TV討論すべて拒絶…蓮舫氏が街頭演説で暴露し「逃げないで」と訴え

  4. 9
    永尾柚乃はもはや子役にあらず …すでに「助演女優レベル」の納得エピソード

    永尾柚乃はもはや子役にあらず …すでに「助演女優レベル」の納得エピソード

  5. 10
    高橋一生「ブラック・ジャック」の不安材料? ドクター・キリコ=石橋静河にやはり疑問の声

    高橋一生「ブラック・ジャック」の不安材料? ドクター・キリコ=石橋静河にやはり疑問の声