夜勤シフトはどれだけ健康に悪いのか? 米医学誌で論文報告
昼間の仕事があれば、夜の仕事もあります。特に24時間体制で管理が必要、というような仕事になると、夜の勤務と昼の勤務の交代制というような勤務体制も少なからず存在しています。こうした仕事が体に悪いというのは、医者や専門家から言われるまでもなく、「もちろんそうだろうな」と感じている人は多いと思います。しかし、そうした仕事は必要なので、なくなることはありません。
それでは、実際に夜勤を含むシフト勤務は、どのくらい健康に害があるのでしょうか? 今年の米国医師会関連の医学誌にシフト勤務の影響を検証した論文が掲載されました。シフト勤務の代表的な職種である看護師に、24年という長期の健康観察を行い、夜勤を含むシフト勤務の年数と、その後の健康との関連を調べたのです。その結果、70歳の時点で健康である比率が、10年以上シフト勤務をすると20%以上も低下していたのです。その一方で10年を超えない勤務では、そうした差は明確には認められませんでした。
人間の体には、ホルモンなどで調節される日内リズムがあり、昼起きて太陽の光を浴び、夜眠ることでそのリズムは健康に維持されます。シフト勤務で長期間それを乱すことは、数十年後にも影響を及ぼす可能性があるのです。こうした仕事の健康被害をなくすにはどうすればいいのか、検討するべき時期に来ているのではないでしょうか。