白血病や悪性リンパ腫に対して1回だけで済む治療法がある
がんの薬物治療においては、抗がん剤の時代から分子標的治療薬、そして免疫チェックポイント阻害薬(ICI)と免疫治療の時代へ進んできました。末期的病状の方でも、起死回生、元気で長く生きる方も増えてきました。
ICI治療では、うまく効いて検査画像からがんが消えた方もたくさんおられます。たとえば、2回のICI治療で肺の影が消え、1年ほど治療を続けてからやめたら再発し、また治療を開始したら再度消えた方がいらっしゃいます。がんが消えてからさらに何回治療すればいいのか、治ったと言えるのか。それが分かるには、まだ時間がかかるのではないかと思います。
■がんが消えたら完治したといえるのか
何か夢のある新しい治療法がないものか……探しているうちに、こんな治療法がありました。特殊ながんに対してですが、たった1回の治療に対して保険適用が認められている治療法です。たった1回だけなのです。
再発または難治性のCD19(がん細胞の表面にある抗原)陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)に対しての「CAR-T療法」という治療です。