梅雨に悪化…不快で眠れない「むずむず脚症候群」を改善したい
RLSを放置すると、不快感から脚を強くかきむしり、静脈炎や蜂窩織炎といった感染症を起こすリスクがある。また、RLSから睡眠障害になってうつ病を発症するケースも少なくない。QOLを低下させないためにも早期の診断が大切だ。
「診断は基本的に鉄やフェリチンの血清濃度を診る血液検査のほか、問診で『4つの必須診断基準』にすべて当てはまればRLSと診断されます。重症度は自覚症状の強さや頻度をもとに分類されます」
必須診断基準は次の4つ。①脚を動かしたいという強い欲求が不快な下肢の異常感覚が原因になって起こる②その異常感覚が安静状態で始まったり増悪する③運動(叩く、揉む、歩き回る)によって改善する④日中より夕方~夜間に増悪する。
治療は基本的に鉄分の多い食事の指導や、原因疾患の治療から始める。症状がひどく日常生活に支障を来す中等度以上の場合、鉄剤やドーパミン受容体作動薬の処方が検討される。
「特に子供の場合、血液検査で鉄分の数値が正常でも鉄剤の服用で症状が改善しやすい。RLSの薬は大人用に作られていて副作用に関する十分なデータも小児ではありませんが、症状が強く親が許可した場合のみ薬を処方します」