適量のお酒が心臓を守るのは本当なのか ストレス緩和が影響
飲酒が適量を超えてしまった場合、アルコールは心臓にとってマイナスに作用します。脈拍が速くなって心拍数が増えるので心臓の負荷は大きくなりますし、心機能が低下した人では同時に飲む水分量が多いと心臓の負荷につながり、姿勢の変化による血圧変動も大きくなります。血圧が急激に上下動すると、冬場の入浴でみられる「ヒートショック」のような状態になり、心筋梗塞、大動脈解離、不整脈、脳卒中といった心臓血管疾患を引き起こす危険があるのです。
また、普段から降圧薬を服用している人は、飲酒量が多くなると極端に利尿作用が大きくなり、体が脱水に傾く場合があります。脱水状態になると血液の量が減って、粘度も上がります。1回に送り出す血液量が減り、流れにくい血液を体全体に送らなければならない心臓は、心拍数を増やして対応しようとするため負担が増大します。とりわけ心機能が落ちている人たちは、脱水が原因で心不全を起こすケースもあるので注意が必要です。
心臓にトラブルを抱えている人はもちろん、健常な人でも、飲酒を健康管理につなげるためには「適量」を意識することが大切です。