糖尿病の人は「心房細動」に気をつけろ…脳梗塞や心不全を招く
「心房細動は心臓の中にある血液を出し入れする部屋のひとつである心房が、通常の4~10倍小刻みに震えることをいい、動悸や息苦しさやめまいなどの症状に加え、心臓のポンプ機能が衰弱した状態である心不全や脳梗塞を引き起こす原因となります」
心房細動は発作の持続時間によって発作性(数時間~数日)、持続性(1週間以上)、慢性に分かれ、放っておくと症状が進行して脳梗塞や心不全の発症リスクが高くなる。心房細動が続くと心房内で血液がよどんで血栓ができて、それが心臓から飛び出して体のあちこちの動脈を塞いでしまう。
「とくに怖いのは脳の血管を詰まらせる脳梗塞で、心原性脳梗塞と呼ばれるこのタイプの脳梗塞は、太い血管を詰まらせることが多いため重篤になりやすく、結果的に四肢麻痺や言語障害などの重度の後遺症が残ったり、死亡する割合が高いとされています」
■予防のために毎日「脈」を測る
ある70代の男性は胸の苦しさを感じたり、動悸に襲われたため、辛院長が診断し、循環器の専門医に確認してもらったところ、心房細動が見つかった。この男性は糖尿病歴20年だったという。