糖尿病の人は「心房細動」に気をつけろ…脳梗塞や心不全を招く
「私のクリニックの糖尿病患者さんの中にも心房細動を合併している人が少なくありません。先にお話しした通り糖尿病が心房細動の危険因子であることはわかっていますが、その機序はハッキリしていません。冠動脈硬化と高血圧を伴わない心機能障害である糖尿病性心筋症や神経障害や血液を固めるための血小板の亢進、心臓の筋肉の線維化、酸化ストレス、炎症などが関係しているのではないか、との指摘があります」
心房細動は、早期に適切な治療を行うことで脳梗塞発症のリスクの軽減が期待できるが、それには日常のちょっとした心がけが重要になる。
「糖尿病の患者さんが心房細動を早期発見するために気をつけたいのは、心房細動を疑う症状である動悸、息切れなどに敏感になることです。しかし、高齢者の中にはこうした症状を軽く考えて、疲れのせい、年齢のせいにしてしまうケースも少なくありません。そこでおすすめしたいのが、脈拍を毎日確認することです」
脈は人さし指、中指、薬指の3本で、手首の親指側を触ることで測定する。一定のリズムを刻んでいれば正常で、脈が飛ぶようなら、医師に相談する必要がある。